World

魔法界

神の住む世界、精霊の住む世界、小人たちの世界、大剣と共に生きる屈強な人間達の世界。
無数に存在する世界の一つ、魔法使い達の暮らす「魔法界」。
魔法界の神の名を借り"ベグドの暦"と呼ばれる時代の中で生きる人々。
優秀な魔法士により構成される機関「魔法教会」により法や教育は統治されており、
狩りから生活の隅々に至るまで魔法が用いられている。
自動車や自動販売機という科学により生み出された機械も存在しているが、
これらもこの世界では全て魔法を原動力としたエネルギーで動いている。

魔法学院

魔法界では小等学院、中等学院を経て、満17歳になった者は、
各地に所在する魔法学院(高等魔法学院)に三年間通わなければならない。

未熟な肉体・精神のまま魔法を打つことは生命の危険がある事から、
魔法使用可能年齢は17歳と魔法教会により定められているが、
魔法についての歴史、知識、理論などを学ぶこと自体は自由とされており、
学院入学の時点ですぐにさまざまな魔法を使いこなせる魔法生も少なくない。

魔法界には強い魔力に引き寄せられた野生の魔物や、
魔力の渦より生み出された魔物、主を失い凶暴化した使い魔などが多数生息しており、
それらに対抗するための戦闘魔法と治癒魔法、 魔法薬についての知識や生成方法、
生きていくための生活魔法を身につけることが、魔法学院の主目的である。

A級、B級、C級、D級の4つの称号(クラス)が存在し、
学院に入学した者は皆、数度の試験を受け、A級魔法生を目指すこととなる。
A級に進級できずB級やC級のまま卒業する者もおり、
その後の就職先からの評価などに左右されることとなる。

長期の休みに入るまでは外出は一切許可されず、
破った者は学院追放の上、除籍処分となり、称号が取り消される。
除籍となった者は魔法教会の施設島に送られ、十年間もの修学と労働が待ち受けている。

また、学院において重大な罪を犯した者は魔法教会により即時拘束され、処分が決定される。
終身刑を言い渡される者、
魔力をすべて剥奪され、魔法界から追放された者も少なくないという。
成年・未成年に関係なく、すべての魔法生が平等に処分されるのが魔法教会の戒律である。

闇の魔法士事件

太古の魔法界には、戦争や呪術に用いられたという数々の「禁じられた魔法」が存在していた。
麻痺させて体中を徐々に絞めつけてゆく魔法、死ぬまで人の心を思いのままに操る魔法、
子孫に至るまで重い疫病にかける魔法、不老不死の魔法・・。
世界を破滅に陥れる危険のある魔法はすべて数百年も前に術者と共に世界より消し去られ、
歴史の闇に葬り去られた、はずだった。
20年前、アークギルド伯爵というA級魔法士の貴族が、
地の底に封印されたはずの禁書を掘り起こし、禁術の復元に成功した。
優秀な魔法士の心を操り、刃向かおうとする者は疫病にかけて殺すという
残虐な殺戮魔法を手に、「闇の魔法士」として世界を恐怖に陥れようとしていた。
沢山の優秀な魔法士が彼に立ち向かって行ったのだが、
数百人にも及ぶ尊い命は、みな闇の中へと失われてしまった。

闇の魔法士の出現より約3年後、魔法界の中核である魔法教会より
魔法界初のS級認定を受けた三名の魔法士がアークギルド討伐に派遣された。
結果、彼らの手によりアークギルドの命と野望は完全に絶たれたのである。
一人のS級魔法士の命を犠牲にして…。