以前はルナスティアの前日譚を公開していましたが、今回は第四章の裏側で何が起こっていたのか、ゲーム内には実装出来なかったので短い小説として公開しました。
ネタバレですので、プレイ後をおすすめします。
久しぶりに文章を書きました。
最近妙にお仕事が忙しく、おまけに体調もあまり優れないので、思考がネガティブに傾くことが多いです。ポジティブなニュースをください。
kotonoha* games labo 5108|kotonoha*制作フリーゲーム15作品を公開しています。
以前はルナスティアの前日譚を公開していましたが、今回は第四章の裏側で何が起こっていたのか、ゲーム内には実装出来なかったので短い小説として公開しました。
ネタバレですので、プレイ後をおすすめします。
久しぶりに文章を書きました。
最近妙にお仕事が忙しく、おまけに体調もあまり優れないので、思考がネガティブに傾くことが多いです。ポジティブなニュースをください。
ver1.53を最終バージョンという事でメンテナンスを終えようとしていましたが、第四章で「詰み」が発生する可能性があり(オプションから難易度を下げることで前バージョンでもクリアは可能ですが)、本日緊急修正をかけver1.54としてアップデートしました。ついでなので、プレイしていて説明不足に感じたことも、本編内に台詞として加筆しました。
そう言えば物語上の都合で、杖師ヒュクロさんのプロフィールカードを本編では作っていませんでした。
誕生日不明、身長180cm、体重不明、属性不明、血液型A型、趣味無し、特技無し、好きなものはワイン、嫌いなものは教師です。
検索してみたんですが、外国人名に「ヒュクロ」という名前が見つからず、Hyuclotというスペルをあてています。どこからこのネーミングが浮かんだのは私自身も覚えていないのですよね。謎ネーミング、割と多いです……。
ネタバレ含みますので注意。
「ルナスティア」のキーキャラクターであるファフィ=フレメル先生について書きます。
実は当初の構想ではもっとひどい先生だったんですよね。「いまでも充分ひどいですけど!?」っていう突っ込みが入りそうですけど、減点なんて可愛いもので、授業中に話を聞かない生徒を豚に変えるイベントも予定していました。難を逃れたシーマス=シンプソン君は本当によかったですね……。
「大切なものを奪われ心の深い部分に傷を負ったため、それ以降はずっと情緒が不安定」という設定メモを元に台詞を書いていたので、普通に話せる時もあれば、ぞっとするほど冷たい台詞もあったりします。
大切なものを「奪う」魔法のせいで心を狂わされた人間なので、生徒の点数とか、ハカセの教科書とか、入学式で出来たルナスティアの友達など、とにかく他人から「奪う」という行為をひたすら繰り返して来たわけです。結果的には彼女が指導してきた生徒の多くが一流の魔法使いに成長しているので、彼女は反省する事を知らないし、反省する必要すら無かったわけで。
しかし第三章で、減点されたハカセをルナスティアが庇ったのを見て、20年前のかつての自分が今とは真逆の事をしていたことを思い出し、その善性から、入学式での行動に対して罪悪感が一気に襲います。この時ルナスティアにとってはハカセを庇った行動は「きっと友達想いで優しいルナスティア=リリーならこうするだろう」という考えからのアドリブでしたが、心の深い部分がファフィと繋がっていたためだった事は、ルナスティアには思いも寄りません。
情けは人のためならず、と言いますか、この時のルナスティアの行動がファフィ=フレメルという人間を変え、ファフィにとって最も幸せな結末を迎えるに至ったのは、かつての自身の善行のおかげだったんですね。
今回の作品の主人公ルナスティア=リリーですが、本制作に入る前の名前はルナスティア=ルルーでしたし、仮タイトルも「ルナスティア=ルルーと闇魔法の秘密」でした。
最終的にルナスティアのファミリーネームを「ルルー」でなく「リリー」にしたのは、リリーの意味が百合の花で、闇属性=黒=黒百合の花言葉を調べてみると「呪い」というのがあって、それがぴったりだなって思ったんですよね。
ちなみにほとんどの登場キャラクターにおいてファーストネームとファミリーネームの頭文字を同じにしているのは、声に出しては言いづらいけど、氏と名どっちか片方が台詞内に登場した時に一致させやすいかなって思って。ジェシー=ジュベールとか、リータ=リビングストンとか。この辺りは「ラハと理の魔法生」に登場したシエスタ=シェリル、ステファン=ステファマリスが起点なんですけど。
最終章を作り始めた頃には、娘がすべての人物のフルネームを丸暗記していたという……。
ネタバレを含みます。
「ルナスティア」キャラクター人気投票では8位でしたが、サイラス=ベネットという少年がいます。
公式サイトの説明に、私は彼についてこう書きました。
「治癒魔法が得意な男子!」というのをいつか作ってみたかったのです。ついに実現しました。治癒が得意な理由は作中では直接的には言及していませんが、熱い理由がちゃんと存在します。過去シリーズにおいてはイケメンキャラは大抵ボケをかます様な子が多かったのですが、サイラス君は物凄く真面目なお兄ちゃんキャラです。
実習教室への移動中にルナスティアがふざけて校舎から出ようとすると本気で怒る様な真面目な男の子。どこか冷めた様でいて、心の中ではたった一人の家族を救うためなら自分の身の犠牲は厭わないという熱い心の持ち主。
治癒魔法が得意なのはいつか家族の病を治すためでしたが、第四章では自分のせいでルナスティアの命を危険に晒してしまい、さらに第五章では彼女が自分の身を犠牲に命を蘇らせようとしているのを見て、初めて他人の命が失われることに恐怖を覚えるのです。サイラスが、死地に赴こうとするルナスティアにかけた「やめろ、行くなっ!」は、そんな想いが秘められた叫びでした。
この物語において、ルナスティアには一切の心の成長がありません。ルナスティアが他人の生き様を見てそこから何かを学ぶことも無ければ、自分の行いを後悔する事もありません。ルナスティアはこの物語の監督であり、脚本家であり、演出家であり、定められた進行下で淡々と芝居をこなす舞台女優だったからです。この一連のお話を誰かの成長物語として捉えるなら、主人公はサイラスの方だったといえるのかも知れませんね。