シャーロックホームズの名推理
美術館で名画の盗難事件が発生し、その第一発見者である警備員トムは、通報を受けて駆けつけたハンス巡査によって連行されていった。
「トムは犯人ではない。何故なら彼は三日前に右肩を怪我しており、重たい名画を持ち上げることができなかったからだ」
トムは、ホームズの友人だったのだ。
「しかしそれだけで、彼が無実であるという証拠にはならないだろう」
私は渋い顔のままホームズを見る。
美術館に辿り着いた私とホームズは、トムがいつも控えていたという警備室にやって来た。
やがて、私はそこで一台のカートを発見した。
「見てくれホームズ。このカートならば、肩を怪我していても、重たい名画を運ぶのに使えそうだ。という事は、やはり犯人は、……」
「おや、これは?」
カートを見つめるホームズの眼光が、鋭くなった気がした。
美術館のホールに戻って来たホームズは、手にしていたものを、事件の関係者たちに向けて掲げた。
「誰か、これに見覚えはあるかい?」
彼の手の中で、何かが光る。
関係者一同が首をかしげる中、一人だけ顔面蒼白になった男が居た。
それは何と、トムを連行した警察官・ハンス巡査だった。
彼は慌てて逃げようとしたが、警察官たちに捕らえられる。
「おや、どうしました、ハンス巡査? 何をそんなに驚く事があるんです? これは、私のお小遣いの1ペンス金貨ですが」
ホームズが手の中の金貨を取り出してみせる。
ハンスはその場に崩れ落ちた。
「ホームズ、一体どういう事だ?」
私は当然の疑問を彼にぶつける。
「カートの底に引っかかっていたのは、本当はこれさ」
彼が反対側の手に隠し持っていたのは、警察官のバッジだった。
「……なるほど。通報を受けて駆けつけ、すぐトムを連行したはずのハンス巡査のバッジが、警備室に落ちている事はおかしい。トムに罪を着せるために犯行に使ったカートを警備室に運んだ時に……。ホームズはカマをかけて見たのだな」
私は納得した。
かくして事件は解決し、釈放されたトムがホームズに何度も頭を下げる。
「ホームズ、あなたは最高の名探偵だ!」
感謝するトムを横目に、私はホームズに尋ねた。
「でも、なぜハンスはトムに罪を着せようとしたんだろう?」
トムも頷きながら、ホームズの顔を見る。
「ハンスは、自分が犯人を捕まえたという功績を、慌てて挙げようとしたのだろう。同期の昇進が、検討されていたらしいからね」
「だが名探偵の登場は、予想外だったわけか」
そう言う私に、ホームズはにやりと笑って答えた。
「そうだな。でも、事件はいつ起こるか分からない。いつでも準備しているつもりでいたら、そこに答えが現れる。それが名探偵の基本だ」
私は彼の言葉に深く感銘を受けた。
家路を歩みながら、私はホームズの知恵と鋭い観察眼に尊敬の念を抱いた。
完
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