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ご都合展開のこと

ご都合展開のこと

物語って大抵、主人公に対して都合のいいイベントが起きたり、悪いイベントが起きたりするものですが、明らかに作者によって強引に誘導されていると感じさせるものについては「ご都合主義」なんて評価されることが多いですよね。
私の作品の9割がそんな感じで出来ている訳で、でも仮に「ご都合だー」みたいなことを言われたとしても「あはは」で笑って済ませることにしていますが、たったひとつだけ私自身も笑って済ませることが出来ない様なご都合主義展開を作ってしまったことがあって、いまさらながら心残りを思い出したので綴ろうと思いました。

それがノベルゲーム「紅く追憶の水葬」のアレ。

未プレイの方は当然なんのこっちゃという感じでしょうが、既プレイの方は「あー」と察せると思います。終盤のアレです、アレ。もし私もプレイヤーの立場だったらあのシーンで「これは無いわ」と確実にバッサリでしょう。具体的な名前と確率については作中では説明していませんが、多分100万分の1程度じゃ効かない超絶低確率と思うので。。

攻略サイトのQ9に「その0%に近い確率がどうやったら1%になるのか」みたいな形で解説を追加。ただそれで一応の説明はつくものの、今度はあるキャラクターに性格的な矛盾が発生してしまう。ということで本編にはどうしても加筆出来なかったのです。
「まあいっか、きっとこのままでも許してもらえる」などという甘い考えを持ったまま公開。これがいけなかった。賛否両論の感想を多数いただき、そこばかり突っ込まれるなんの。ぜんぜん許してもらえなかった(汗)。推理ゲーム好きの方々を本当に甘く見ていました。申し訳無い…。
もちろん「kotonoha*作品ってこういうものでしょ!」と納得してくださったプレイヤーさん(主にRPGの方をプレイされていた方々が多いかな?)もいるとは思うのですけど、私の中ではもう推理モノには手を出すまいと猛省した、ほろ苦い経験でした。

ミステリを書くのって本当に難しいですね。