「RiSE -囚われ少女の魔法譚-」のメインキャラクター、リセ。
本名はリセ=リシャス=ゴルドール。
ゴルドール邸の地下に十年間軟禁されていた魔女であり、本作品のヒロインです。
十年よりも前の記憶はすべて失われており、以降は屋敷の外に出ることが無かったため、驚くほど世間知らずで、魔物の存在すらも知らないほどでした。
しかし世間知らずでありながら、人見知りでもコミュ障でも無いので、他人との会話は積極的に行います。剣やダンスをすぐに覚えるなど、魔女だけあって割と器用な子ではあるのですが、魔法を使って人々を幸福にする道をジャックから提案されたことをきっかけに、他人の幸せをふみにじる行為を見ると、感情的になって思わず手が出てしまう不器用さも。
魔女ではあるものの、使える魔法は「癒やすこと」のみに特化しており、他者を傷つけたり、物を動かしたりする魔法を使用することは出来ません。
継母や義姉達によって受けた虐待の痕を魔法で治療する毎日でしたが、そんな日々を不幸に思ったことは一度も無く、魔女である自分を養ってくれることにむしろ幸福感を感じています。
余談ですが、ミコトの葉チャート「囚われ少女の魔法譚」において、夢の中のリセがダニエラに虐待される姿を見て、心を痛めているシーンがあります。
ゲームの感想をDMで頂いた時に、このシーンについて「何で?」と聞かれた事が一度だけありまして。
リセ自身は家族を心から愛していたため、ダニエラの行いについて疑問を抱くことは1ミリも無かったので、そもそも今更こんな気持ちになるはずは無いんですよね。
これは、リセが外の世界を経験したことで、心を痛める様になった…のでは無くて、「この物語のリセを演じているリセ」の心が実際に締め付けられて、表に現れ始めているからです。
この『RiSE -囚われ少女の魔法譚-』という作品はそもそも、
「魔法が無い世界」だから、魔女が現れない。だから主人公が救われない。
そんな悲しい結末の絵本の中に、
「魔法がある世界」からやって来た魔法使いが、
魔法が無い世界の魔女となって、幸福な物語へと書き換える物語です。
なので、このシナリオの締めくくりにおいて、
物語の中で「魔法の無い世界」でリセを演じる、「魔法のある世界」のリセが現れて、この様なメタ発言を行っているわけですね。ではこの魔法のある世界のリセは何者なのか。
それはまた、別の作品のどこかで会えるかも知れません。